エネルギー源として脂肪は常に血液中に存在するが、最初に運動で用いられるエネルギー源は血中の糖分(ブドウ糖)由来のもの(解糖系によるエネルギー)といわれている。糖分は迅速にエネルギーに変換されるため、運動初期、とくに運動開始時に急激に必要エネルギーが増大したときに用いられやすく、その後、遊離脂肪酸からエネルギーが作られていき、運動が安定していくと徐々にそちらに切り替わる。ハイブリッドカーの電気モーターとガソリンエンジンの関係にも似ている。
分解された遊離脂肪酸は、使われなければまた中性脂肪に合成される
カプサイシンやカフェインなど、中性脂肪から遊離脂肪酸への分解を促進することが知られている化学物質も、摂取するだけでは遊離脂肪酸自体は消費されず、余剰の状態で再び中性脂肪に戻っていくので、それだけでは減量に寄与しないことがわかる。交感神経系が活発化することで基礎代謝量が上昇する効果は期待できるものの、目的とする減量からすればごく僅かであろう。そうした物質の持つ興奮作用でエクササイズの効率を高める、ともいえるが、精神作用物質の効果で無理に身体に負荷を掛けることは、安全性の面からは疑問である。
脂肪がエネルギー源として使われる割合が最も高いのは安静時である
高強度運動では筋グリコーゲンや肝グリコーゲン(糖質)が主に消費される
グリコーゲンが枯渇した状態で食物を摂取すると、食物中の糖質はグリコーゲンの補充に使われる
グリコーゲンが充足した状態で食物を摂取すると、食物中の糖質は脂肪の合成に使われる
以上4点から、高強度運動を行った場合、運動によって直接消費される脂肪は少ないものの、次回の食事はグリコーゲンの補充に使われ合成される脂肪は少なくなる。その一方で、安静時(非運動時)には体脂肪が主なエネルギー源として使われるため、結果として体脂肪は減少する(食事のエネルギーが運動と基礎代謝の消費エネルギーより少ない場合)。一方、低強度運動で脂肪のみ使ったと仮定しても、筋・肝グリコーゲンが減少していない状態で摂った糖質はほとんど脂肪の合成に回されてしまう。結局、高強度であっても低強度であっても、体脂肪の増減は摂取カロリーと消費カロリーの差のみに依存する。
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